Fantasiestücke in Callot's Manier von E. T. A. Hoffmann

Jean Paul, hg. v. Kaltërina Latifi, Ffm./Basel (Stroemfeld) 2013

ジャン・パウルがホフマンの『カロ風幻想作品集』に寄せた序文が本になった。

贅沢な一冊である。ベーレント版で、わずか6ページのテクストに、草稿と清書原稿のファクシミリ、転写、註、手紙、解説を添えて、170ページの書物になっている。

ホフマンの作品集が出たのは、1814年。しかし、ジャン・パウルが序文を書いたのは、その前年。署名日付は、1813年11月24日となっている。つまり、もうすぐ、200年ということなのだ。

序文には、Frip.という署名のもとに(J. P. F. R. のアナグラム)、1823年12月付けの『イエナ・一般文学新聞』の書評が挿入されているが、もちろん架空である。

ホフマンの『作品集』は、1819年に二版が出るが、その際にも、若干の改稿がある。

そして、1825年、『小さな書籍展望 序文と批評 ならびに、美学入門の小さな補講』(Kleine Bücherschau. Gesammelte Vorreden und Rezensionen, nebst einer kleinen Nachschule von Jean Paul)の第一巻に収められたテクストが最終稿となる。ちなみに、この書評集は、ジャン・パウルの手による最後の出版物となった。

Latifi版表紙は、"Callot's Manier" となっていて、アポストロフが赤くなっている。ホフマンの書名は、アポストロフが入っている。しかし、ベーレントは、ジャン・パウル(あるいは、Frip)の表記に従って、"Callots Manier" にしていたのだった (Hist-Krit-Ausg., I, 16: 1938, S. 288)。