1823年創業、ヘッセも働いていたというチュービンゲンの古書店。シュティフト教会の広場にある。由緒ある店ということなのか、14時始まりである。
たしかに、古い。細い通路の奥に、薄暗い入口がある。狭い店にカウンターと雑然と並べられたり、積まれたりしている本。当時(おそらくヘッセが働いていた)の店を再現しているのだ、と気づいたのは、一通り棚を見た後だった。それにしても、期待はずれだった。店番をしていたのが、今日が初めてという学生らしい女性で、なにも知らない。となりの部屋には相当本が並んでいるようだったが、ヘッセの部屋ということで、店主のいる週末だけしか中に入ることができない。自分はカギをもっていないのだ、と。愛想のいい子だが、これでは話にならない。ちょっと迷ったのは、コメレル。
- Gedanken ueber Gedichte (1943)
- Geist und Buchstabe der Dichtung
しかし、これならちょっと探せば、手に入りそうである。先に、Wilhelmstr.の Bader という店で、何冊か買ってしまったということもあった。
ああ、しかし。あとからネットをみて愕然。
- Kommerell, Max: Eine Zeichnung. Typoskript Würzburg, um 1943. Oktav Ohne Umschlag. Die letzte Seite lose.
最後のページが欠けているとはいえ、こんなものも持っている本屋さんなのだ。180,00 E. もし、こんなのが出てきたら、ものすごく迷ったに違いない。