高橋源一郎『「あの戦争」から「この戦争」へ』 と 荒川洋治『文学の空気のあるところ』

二人とも、社会の中に入っていって、文学を探している。

高橋氏の方が、より徹底的なのは、たぶん、文学の力をもうあまり信じていないからだろう。にもかかわらず、文学があるとすれば、こんな風なんだろうと思わせるようなところがある。いろいろなことを知っているし、いろいろな語り方ができる。政治的発言にも、どことなく小説家らしさがあって、いい。

にもかかわらず、話を聴きに行くなら、荒川氏ではないかと思う。