三輪太郎『憂国者たち』

群像九月号

三島由紀夫の『豊穣の海』は、いまだ読んでいない(絶対に読め、と言われたにもかかわらず)ので、ただの当てずっぽうだが、ひょっとすると、この物語はその第五部にあたるのかもしれない。それにしても、この大量難民の時代に、「本物の天皇」や「本物の日本」を探そうというのは、かなりドンキホーテ的な冒険ではなかろうか。