2017-03-04 聖アントニウスの誘惑 クラーナハ展(大阪国立国際美術館) 全景には、幻想に捕らえられ宙に浮かんだアントニウス。まるで聖人自身が幻想の一部になってしまったかのようである。しかしまた、遠くに見える町は、なにごともなかったかのように静かで、これまた不気味である。 遠景も近景も、木版だとは思えないほど緻密に描き込まれていて、謎めいた感じを醸し出している。