金子章:コトバの可能性と<もの>

https://nagoya.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=4000&item_no=1&page_id=28&block_id=27 1996 大学の紀要論文テーマそのものよりも、直接にはまったく関連のないテクストが、テーマに沿っ…

証言 羽生世代

大川慎太郎 将棋のルールを知っている。どういう状態が勝ちなのか、負けなのか、も分かる。しかし、その間でなにが起こっているのか、まったく分からない。近年、その間のことを、将棋ソフトの評価値が視覚化してくれたような気がしたが、それは錯覚だったか…

Männerschnupfung?

https://www.youtube.com/watch?v=Irzf8qoIKDA

鏡影劇場

逢坂剛 著E・T・Aホフマンというわりには、なんだかスカスカな文体だな、というのが最初の印象だった。しかし、とにかく最後まで読ませてしまうところに、構成力の力、長編小説の力があるのかもしれない。日本人登場人物の世界が、ホフマンの世界に対してど…

遊び仕事

古井由吉『雛の春』 たしか、日も暮れかけて職人たちの気分もだらけているのに、半端な仕事がまだ残っている時に、遊び戯れるままにまかせて働かせると、かえってはかどるということだったか。 という「遊び仕事」の説明に続いて 春の前触れの、ほのかに霞む…

われもまた天に

古井由吉 人は皆、マスクをしている。インフルエンザの流行のため、院内ではマスクの着用が求められている。玄関口にマスクの販売機がある。病室への外来者の出入りは禁止になっているという。 『雛の春』の初出は、『新潮』2019年7月号。2018/19の冬も、イ…

ヨーロッパの日記

グルタフ・ルネ・ホッケ 四天王寺秋の古本市。4500円 家に帰りかけて、途中で引き返して、購入。

蔭山宏『カール・シュミット ナチスと例外状況の政治学』中公新書

「主権者とは、例外に関して決定(決断)を下す者をいう」 例外に「関して」というのは、例外状況でどう判断するのか、だけではなく、現状が例外なのかどうかの判断をも意味するのだ、と。難しいのは、後者の判断かもしれない。

「コロナウイルスと古井由吉」柄谷行人

『群像』7月号 柄谷行人は、古井由吉と同世代、あるいは、同世代と考えている。そうなのか。先月号掲載の追悼文には、内向の世代、とあった。このエセーを読んで、なんだか納得した。雪の下にいたのは、蟹ではなかった、とは。

バビロンの流れのほとりにて

森有正 1冊150円の古本棚でも、この本は静かに輝いていた。いなかの本屋さんで手にとったのは、この背中に惹かれてのことだったのかもしれない。装丁は栃折久美子。初版19刷(昭和55年刊)。そんなに売れたのか。 これは美が、人間の内面とは関係な…

四天王寺古本市

昨日、今日と二度出かけた。昨日は、台風は逸れたものの、時々、風、雨というお天気のためか、お客さんもまばら。どうなることかと思いきや、今日はまずまず、だったのではなかろうか。 ヴァイス『ヘルダーリン』300円実を言えば、なにがいいのだか判らない…

ハイドンのピアノソナタ

https://www.deutschlandfunkkultur.de/interpretationen ハイドンのピアノソナタは、対話のようだという。たしかに、二人のドイツ語の延長上に、むりなく音楽が続いていく。1732年生まれということは、シューマン(1810生)のおじいさんくらいか。

鈴木武樹訳『見えないロッジ・第一部』

ジャン・パウル=文学全集1(創土社) 天牛堺書店にて購入。2巻揃いでゴム止め。各980円。 拾い読みしてみて、判ったことは何か? もし新訳を出すつもりなら、この翻訳は読まない方がいい。この文体で訳し始めたら、多分、この翻訳を超えることはできな…

Interpretationen

Deutschlandrundfunk.Kultur の音楽番組。日本時間で、日曜22時から0時まで。 昨夜は、シューマンの第四交響曲をどう演奏するのか、という話。いくつかのテーマを中心に、聞き比べをするので、素人にも、演奏によってどのくらい曲の感じが違ってくるのか…

Joachim Kaiser

dradio.de / Kultur を聴いていたら、シューマンのクライスレリアーナの話をしていた。一曲ずつ、それがどういう音楽なのか、言葉をつくして語っていく。そして、それぞれの曲について、何人かの演奏を紹介していた。 まず、ヴィルヘルム・ケンプが出てくる…

Logen-Blog

https://www.literaturportal-bayern.de/blog?task=lpbblogs&layout=category&category=179 Frank Piontekによる、毎日、ジャン・パウル『見えないロッジ』を読む試み。24.09.2012に始まって、22.12.2014に終わっている。

自由の創出

ジャン・スタロビンスキー(小西嘉幸 訳)四天王寺の古本市で購入。1000円。 18世紀がロココ趣味だけではないことは判る。自由がひょっとしたら、発明されたものかもしれないことも判る。しかし、自由とノイマンのバロック教会がどのように結びつくのか。 …

吾輩は猫である

朝日新聞連載終了。といっても、この作品はもともと朝日新聞とは関係がない。 猫が最期に呑むのは、酒だとばかり思っていた。 思えば、中学生だか、小学生だかの頃、『路傍の石』や『次郎物語』といっしょに、子ども向けの本で読んだきりだった。ビールでは…

Adolf Wölfli 1864-1930

名古屋市美術館で回顧展を見た。 絵画というのか、本というのか、とにかく稠密に描き込まれた線描がそれだけで、表現になっている。精神病棟で制作されたという。 フロイトが生まれたのが、1856年。シュレーバーは、1842年に生まれている。ユングは、1875年…

聖アントニウスの誘惑

クラーナハ展(大阪国立国際美術館) 全景には、幻想に捕らえられ宙に浮かんだアントニウス。まるで聖人自身が幻想の一部になってしまったかのようである。しかしまた、遠くに見える町は、なにごともなかったかのように静かで、これまた不気味である。 遠景…

バッハ『音楽の捧げ物』

Herbert Kegel u. Rundfunk-Sinfonieorchester Leipzig, 1972 フリューゲル=ピアノフォルテのボヤーっとしたリチュルカーレで始まり、ゆっくりとフーガ、カノン、ソナタが続く。後半は、パウル・デッサウとヴェーベルンの編曲が並んでいるが、まるで最初か…

ひかり埃のきみ

福田尚代 回文。前から読んでも、後ろから読んでも同じ文字列。たとえば、 眼鏡がない。田舎ね。カメめがねがない。いなかね。かめ。 なんていうレベルなら、ちょっと考えればできる。 しかし、これが何行にも渡り、次から次へと何ページもくり出されてくる…

『歌の子詩の子 折口信夫』

持田叙子 著 幻戯書房 岩野泡鳴、鉄幹、晶子、鴎外、啄木といった周辺の人たちとの関係がおもしろい。

Altweibersommer

Altweibersommer ist in deutschsprachigen Ländern die Bezeichnung für eine meteorologische Singularität. Es handelt sich um eine Phase gleichmäßiger Witterung im Spätjahr, oft im September, die durch ein stabiles Hochdruckgebiet und ein war…

『楡家の人びと』

北杜夫トマス・マンを読むなら、楡家の人びと、と、勧められたことがある。作者は、マンのどこを学んだのだろうか。 - 戯画化された人物像- 史実と(虚構の)家族史の交差 しかしまた、 - 自然描写- 病気、死の描写- 戦争体験の記述(城木という登場人物を設…

The Danish String Quartet

Per Nørgård: SQ Nr. 1, Quartetto Breve (1952) Schostokowitsch: SQ Nr. 15, Es-Moll, op. 144 (1974) Beethoven: SQ Nr. 12, Es-Dur op. 127 (1823/24) 音を押し殺したような二つの曲の後に、ベートーベンを聴くと、アダージョですら晩年の重苦しさを感じ…

Ferrucio Busoni

GrauSchumacher Piano Duo Improvisation (1916) Fantasie (1922) Duettino Concertante (1919) Fantasia contrappuntistica (1921) 生誕150年になる。 演奏会は、二台のピアノのための作品。なんだかオルガン曲みたいだった。

[本]のメルマガ vol.617

なにはともあれ書きたいという情熱がなければ、モノを書くことはできない。楽しそうに書いている人の文章を読むと、羨ましくなる。 長らく受信したままになっていたメルマガだが、読んでみれば、なんだかおもしろい。 たまたま spam となってひっかかってい…

単独者のあくび 尾形亀之助

吉田美和子著 赤と黄色の装丁が、書店でひときわ光っていたが、期待を上回る中味だった。 いかにも居場所のないといった感じの、賢治追悼会の写真が印象的。中国の最前線で、辻まことが『障子のある家』を読んでいたというのも凄い。 戦前のある時期までは、…

Hans Knappertsbusch

ラジオをつけたら、ブラームスの交響曲が流れていた。今の倍くらい時間をかけて演奏している。ライブで聴いたら、弦に呑み込まれるような感じになるだろう。ロマン派のテンポは、こんなものだったのかもしれない。 1963年録音というから、指揮者晩年の演奏で…