Sophokles: Antigone

übersetzt v. Hölderlin, bearbeitet v. Martin Walser, it. 1989

昨日、アンティゴネ受容についての講演を聴いて、家にあったインゼル版のヘルダーリン訳があったのを思い出した。引っ張り出してよくよく見れば、ヴァルザーが前書きを書いている。

善か悪かという倫理的判断は、清いか、穢れているかという美的判断に隣接している。理性による公的な場での判断だけでは解決できない、個的な、内心の、良心の判断があり得る。クレオンをヒトラーに擬えた1948年のブレヒト演出にせよ、歴史家論争における批判の欧州にせよ、公的な場における倫理を問題にしているにすぎないのだ、と。

ところで、この本は1989年の何月に出たのだろうか。ドイツで買ったにちがいないが、どこで買ったのかまったく覚えがない。