吉本隆明全集

3月13日発行、と「特別サイト」にあったので、本屋さんに寄ったが、無駄足だった。

家に帰って、アマゾンサイトを見ると、15日発売、となっている。アマゾンでは、発売されていないうちから、「全集」カテゴリーでベストセラーになっていた。

随分前に出た『全集撰』も買って、古本屋に売った。今度は、全33巻だとか。こんなものを買うお金もなければ、置いておく場所もない。多分、読む時間もないだろう、と思いながらも、どうも気になる。

まず、出版社が気になる。晶文社は、『ベンヤミン著作集』や『ラジカルな意志のスタイル』を出した出版社。自分が本を出すことがあれば、晶文社、と、ワケの分からぬ事を言っていたこともある。

吉本のなにに惹かれるのか。吉本の言っていることに共感しているわけではない。特に、私が読み始めた80年代後半の吉本は、酷かった。だが、酷かったのは、吉本一人ではなく、世間全体がもうまったくダメだった。吉本の言葉は、そのときどきの日本の状況を正確に反映している、と思う。吉本の言葉には、文学のアクチュアリティを感じさせる力がある、と思う。

だが、こうして書いているうちに、まあ、図書館で読めばいいか、という気になってきた。