やすらい花

古井由吉

これまでなんども読み始めては、途中で放り出した短編集。どういうわけか、今回は、すっと入って、そのまま読み切ってしまった。短編といっても、ドラマチックな筋の展開はない。いくつかの断片的な情景が、継ぎ接ぎされているという点では、連吟に近いのかもしれない。

瓦礫の陰に」のあたりまで読んで、リズムを掴んだような気がした。