鏡影劇場

逢坂剛 著
E・T・Aホフマンというわりには、なんだかスカスカな文体だな、というのが最初の印象だった。しかし、とにかく最後まで読ませてしまうところに、構成力の力、長編小説の力があるのかもしれない。
日本人登場人物の世界が、ホフマンの世界に対してどのくらい鏡、影、になっているのか。袋とじになっている最終場面になって、あっやっぱりホフマンだ、と納得した。