2020-10-12 鏡影劇場 逢坂剛 著E・T・Aホフマンというわりには、なんだかスカスカな文体だな、というのが最初の印象だった。しかし、とにかく最後まで読ませてしまうところに、構成力の力、長編小説の力があるのかもしれない。日本人登場人物の世界が、ホフマンの世界に対してどのくらい鏡、影、になっているのか。袋とじになっている最終場面になって、あっやっぱりホフマンだ、と納得した。