丸山眞男 音楽の対話

ベートーベンは西洋音楽史の頂点に立つ。爆発的なパトスを古典的な合理的形式の枠組みで響かせた。現代音楽は、調性が破壊されているがゆえに、評価しない。ワーグナーの楽劇は、神話的世界を舞台にしているところに普遍性がある。現代社会を舞台にする演出は、ワーグナーの音楽を狭くする。
理性の人丸山眞男の音楽観は、徹底的に理性的であり、首尾一貫して保守的だった。

文春新書 1999年刊 古本屋で購入。300円也。