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書庫を建てる

松原隆一郎 堀部安嗣 著
8坪の土地に建てられたコンクリートの塊。その中に、1万冊の書物を収める書架と、さらに、書斎、寝室、シャワールームを設えたという、うらやましい話。
しかし、この本がただの自慢話で終わらないのは、祖父の記憶というモチーフが絡んでいるためである。この書庫には、170センチもあるという仏壇も収められることになる。書籍は、死者たち(あるいは、やがては死に逝く者たち)の記録。書庫の持ち主にとっては、仏壇と書籍が相並んで、特に齟齬がないようなのだ。
それは、書籍が死者に近いというよりも、仏壇の方が生きているためなのかもしれない。