2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

文化批判と社会

アドルノ『プリズメン』第一章(ちくま学芸文庫) 『プリズメン』が出たのは、1951年。論文は、49年に執筆された。 「アウシュヴィッツ以後、詩を書くとは野蛮である」が気になって、読み直してみた。 文化の中から生まれた文化批判は、ナチにも使われれば、…

昭和維新試論

下村湖人『次郎物語』の最後に、地方の青年を集めて、民主主義的な共同生活を実践する塾が出てくる。ユートピアにしては、妙な熱気が漂っていると思ったものだが、それは、主人公の性格によるものではないらしい。 橋川文三によれば、日露戦争以降、若手官僚…

Sophokles: Antigone

übersetzt v. Hölderlin, bearbeitet v. Martin Walser, it. 1989 昨日、アンティゴネ受容についての講演を聴いて、家にあったインゼル版を引っ張り出した。ヴァルザーが前書きを書いている。 善か悪かという倫理的判断は、清いか、穢れているかという美的判…

20世紀SF③

中村融 山岸真 編 河出文庫 1960年代のSF14編が収められている。今朝は、最初の作品、ロジャー・ゼラズニー『復讐の女神』を読んでみた。1965年に発表された。 3人の男が部屋にこもって、宇宙のテロリストを追跡する話。解説にはユングのことなどにも言及が…

昭和維新試論

橋川文三 講談社学術文庫 1921年(大正10年)の安田善治郎暗殺から、渥美勝の桃太郎主義へ。心情に分け入って、昭和初期の右翼運動を描いている。なんとなく判ったようなつもりになってしまうところが、我ながらアマイ。

1九と金

昨日の朝日新聞朝刊。と金をそっぽに動かす驚愕の一手。

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クリスマス・イブに贈る三大交響曲 運命 未完成 新世界より 私の2013年は、このうちのどれか、あるいは、どれも、だろう。

聴こえない音楽

《アベッグ変奏曲》のフィナーレ(初版の改訂版)における「ABEGG」の主題は、鳴り響いて提示されるのではなく、この音が一音ずつ消えていくことによって表現される。・・・ シューマンの作品では、音響的に鳴り響く効果と楽譜に記されていることの不一致を随所…