2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

やすらい花

古井由吉 これまでなんども読み始めては、途中で放り出した短編集。どういうわけか、今回は、すっと入って、そのまま読み切ってしまった。短編といっても、ドラマチックな筋の展開はない。いくつかの断片的な情景が、継ぎ接ぎされているという点では、連吟に…

Andreas Gursky

出町柳まで出て、一日勘違いしていたことに気づいた。 京都にいても仕方ないので、中之島まで戻って、展覧会を見た。 写真の図像をコンピュータで処理しているという。鳥瞰に細密描写が平気で混入しているのは、それで一応納得である、が、しかし、それだけ…

日本文学検定

http://www.nichibunken.com/ 「教材」というサイトで、例題に挑戦してみたが、太刀打ちできない。そういえば、ずいぶん前に『世界文学クイズ』という本を買ったが、こちらもまったくダメだった。

地下へ サイゴンの老人

日野啓三 新聞記者だった作者が、小説という形式でしか書くことができないと考えた現実とは何だったのか。 『ベトナム報道』は、ノンフィクションでありながら、現実の厚みに歯が立たない記者の姿を通して、現実の「向こう」がフィクション以上に生々しく描…

半自叙伝

古井由吉 月報をまとめただけ、ということなのだが、それなりに面白かった。 まず、これほどの文章が書ける人でも、苦しんでいるという事実に改めて感動した。それから、ちょっとした作品案内になっていて、なんとなく懐かしい思いがした(一作を選ぶとした…