2020-01-01から1年間の記事一覧

Männerschnupfung?

https://www.youtube.com/watch?v=Irzf8qoIKDA

鏡影劇場

逢坂剛 著E・T・Aホフマンというわりには、なんだかスカスカな文体だな、というのが最初の印象だった。しかし、とにかく最後まで読ませてしまうところに、構成力の力、長編小説の力があるのかもしれない。日本人登場人物の世界が、ホフマンの世界に対してど…

遊び仕事

古井由吉『雛の春』 たしか、日も暮れかけて職人たちの気分もだらけているのに、半端な仕事がまだ残っている時に、遊び戯れるままにまかせて働かせると、かえってはかどるということだったか。 という「遊び仕事」の説明に続いて 春の前触れの、ほのかに霞む…

われもまた天に

古井由吉 人は皆、マスクをしている。インフルエンザの流行のため、院内ではマスクの着用が求められている。玄関口にマスクの販売機がある。病室への外来者の出入りは禁止になっているという。 『雛の春』の初出は、『新潮』2019年7月号。2018/19の冬も、イ…

ヨーロッパの日記

グルタフ・ルネ・ホッケ 四天王寺秋の古本市。4500円 家に帰りかけて、途中で引き返して、購入。

蔭山宏『カール・シュミット ナチスと例外状況の政治学』中公新書

「主権者とは、例外に関して決定(決断)を下す者をいう」 例外に「関して」というのは、例外状況でどう判断するのか、だけではなく、現状が例外なのかどうかの判断をも意味するのだ、と。難しいのは、後者の判断かもしれない。

「コロナウイルスと古井由吉」柄谷行人

『群像』7月号 柄谷行人は、古井由吉と同世代、あるいは、同世代と考えている。そうなのか。先月号掲載の追悼文には、内向の世代、とあった。このエセーを読んで、なんだか納得した。雪の下にいたのは、蟹ではなかった、とは。