2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Siebenkäs. Ende der Vorrede und des ersten Bändchen

語り手ジャン・パウルは、パウリーネに、『ジーベンケース』第一巻、つまり、貧乏弁護士の結婚や、ドッペルゲンガーの友情の物語を読んでやっていた。しかし、娘の父親は、寝たふりをして、二人の様子を見張っていたのだった。家を追い出されたジャン・パウ…

詩学講義 無限のエコー

耳なし芳一から、立石寺、赤城山へ、細い糸でつながっているような、いないような。 いや、多分、そういう読み方がダメなのだろう。吉増剛造という人は、一瞬にかけるパフォーマーなのだ。なにかが見えてくる爆発的な瞬間が眼目であってみれば、時間的な連な…

Schatten. Ihre Darstellung in der abendländischen Kunst

Ernst H. Gombrich 1995年に出たエセ-のドイツ語訳。陰影による立体表現法 (Modellierung) は、連綿と続く西洋絵画の伝統的手法であり、古代アテネの壺の絵にもすでに、確認されるという。だが、モノが投げかける「影」(Schlagschatten) は、かならずしもい…

Peter Urban

昨年12月に逝去。11日付けの Tagesspiegel 紙に、この翻訳家の仕事ぶりが紹介されている (Perlentaucher)。 家は、大きな農家で、あちこちに書き物机がおいてある。ゴンチャロフ机、チェーホフ机、といった風に、机ごとに、関連するメモや草稿が山積みにされ…

二人の主人を一度に持つと

ゴルドーニ(田之倉稔 訳) 訳者が示した楕円の焦点に入るべきは、ベアトリーチェ/フェデリーゴ、トゥルッファルディーノ/パスクワーレ。ドラマを支えているのは、二対の不在のドッペルゲンガーである。

詩学講義 無限のエコー

吉増剛造 講義の初めの方で、中也の「歩行」(散歩ではないのか?)が話題になるのだが、大岡昇平の回想を引用しながら、「古風な漂白の道を」という部分でつかえてしまったのか、「これはマズイ」、「だめだ」とわざわざ括弧書きされている。 図書館から借…

ツワネ原則

「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」(日本弁護士連合会 訳) 2013年6月12日に発表されたという。やはり情報管理は、世界的に見ても、もっともアクチュアルな問題なのだ。しかし、門外漢が言うのも気が引けるが、高橋某が、新聞で絶賛するほど、…