2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

隠す Cacher

バルト:恋愛のディスクール 1975年1月30日の講義では、主体の「二重のディスクール」が問題になっている。1) 過剰な情熱(が恋愛なのであった)を愛する人にすべて見せるべきではないのか。2) この過剰な情熱は隠すべきではないのか。ウェルテルとロッテは…

香港 TVB

日本で放送されているかぎりでは、ウクライナ情勢がまったく報じられていない。話題は、もっぱらコロナ感染。相当深刻らしい。が。

dradio: Arnold Schönbergs Zweites Streichquartett op.10

https://www.deutschlandfunkkultur.de/arnold-schoenbergs-zweites-streichquartett-op-dlf-kultur-671d4ca4-100.html 1985、86年頃 (1988?)、Gewandhaus SQ が録音している。現代音楽の演奏を許可することによって、東ドイツ政府は、自由化を目指している…

「無力化」Annulation

バルト:恋愛のディスクール 『ウェルテル』の中で、主人公が愛するシャルロッテは「無意味で色あせている」。1975年1月23日講義では、「無力化」Annulation というフィギュールに要約されている。1976年2月26日講義でも、「無力化」が語られているが、そこ…

バルト:恋愛のディスクール

「(ウェルテルは、)〈私は-あなたを-愛しています〉と言うことが(いかなる理由があるにせよ)一度もできなかった人物である」。1975年1月23日の講義では、Ich liebe dich. (私はあなたを愛している)が一塊の叫びであり、そこには、要求、充足、弁証法…

円城塔:機械仏教史縁起

文學界2月号。コンピュータのプログラムが起動して、なにやら意味があるようなないような文が生成される。さて、どうなるのか。いかにもこの作者らしい筋立てだが、どういうわけか飽きない。ところで、今回、あっ、と、思ったのは、この作品につづくエッセー…

バルト:恋愛のディスクール

https://dtkame.hatenablog.com/entry/2022/02/18/121415 多分、読み違え。「古い物語が、いつも新しくあり続ける・・・」は、『恋愛のディスクール 断章』を読めばその通り。「ひとつのテクストのなかにすべてがある」。なるほど。恋愛と恋愛のディスクールは…

AIと文学の未来

『文學界』2月号三つの連続インタビューのうち、テーマに一番接近しているのが、ゲームを作っているという三宅陽一郎氏の話。カウンセリング用に作られた「ELIZA」では、AIが「主体」として人間と対話していた。しかし、キャラクターが生まれると、語る主体…

E. T. A. Hoffmann: Nußknacker und Mausekönig

そういえば、ずいぶん前に、ホフマンの『くるみ割り人形』を授業で読んだことがあった。ある少女のクリスマスの夢? テクストは正真正銘の古典的なドイツ語で、読み進めるのに、苦労した。しかし、音楽なら難しくないのか、といえば、そうでもない。物語も、…

dradio: Bescherung in der Konfitürenburg -Tschaikowskys "Der Nussknacker"

https://www.deutschlandfunkkultur.de/bescherung-in-der-konfituerenburg-tschaikowskys-der-nussknacker-dlf-kultur-9fd88b4e-100.html チャイコフスキーの「くるみ割り人形」は、最後の交響曲とともに、どうも気になる。話をしているのは、Wladimir Juro…

ロラン・バルト:恋愛のディスクール セミナーと未刊行テクスト 水声社

1975年1月9日の講義バルトはハイネ=シューマンをドイツ語で引用して Es ist eine alte Geschichte,Doch Bleibt (!) sie immer neu.(それは古い物語、けれどもいつも新しい) こう続ける「実際のところ、テクスト研究の目的は新しさである。歴史的、社会学…

dradio: Das Alte Testament der Klaviermusik

https://www.deutschlandfunkkultur.de/das-alte-testament-der-klaviermusik-dlf-kultur-a9ba221d-100.html こちらは、平均律クラヴィア曲集第一集の聴き比べ。Christine Schornsheim という人が話をしている。ちょっと調べてみたら、やはりチェンバロ奏者…

J. S. Bach: Das Wohltemperierte Klavier (Teil II), Andreas Staier (Cembalo)

チェンバロがこれほどいろいろな音を出す楽器だとは思わなかった。バロック宮殿に反響するようなバシャーンという音に混じって、ギターのような音、琴のような音が聴こえてくる。装飾音もよくよく聴いてみると、おもしろい。おそらく、よくよく聴かせるよう…

乗代雄介:皆のあらばしり

実際にあったのかどうかも分からない偽書をめぐる物語。小津久足は実在の人。竹沢屋儀兵衛なる酒屋が、小津の紀行文と称する『皆のあらばしり』を書いたかどうかはすでに定かではない。その文書が竹沢家に残されているというのは、浮田くんの言葉を信じれば…

Günter de Bruyn

dradio Kultur: Lange Nacht https://www.deutschlandfunkkultur.de/lange-nacht-ueber-guenter-de-bruyn-schriftsteller-dlf-kultur-d0c60ffd-100.html 1時間ほど聴くと、『ジャン・パウルの生涯』の話になる。"Das Leben des Jean Paul Friedrich Richter"…

藤井聡太五冠、佐藤康光九段

最年少五冠ホルダーと最年長現役A級棋士。ともに、修業時代は、棋界のメインストリームからはずれていた。

グリーグ&シューマン:ピアノ協奏曲 リヒテル、マタチッチ、モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団

1974年11月、クロアチアの指揮者とソ連のピアニストが、よりによってモンテカルロで共演。実に怪しい。1974年といえば、まだ中学生だったのか。ボクは。もちろん、冷戦時代のモナコ王国がどんな地政学的な役割を果たしたのか、当時はもちろん、今も知らない…