2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

<誠実>と<ほんもの>

近代自我の確立と崩壊- ライオネル・トリリング著 原著は、1971年。野島秀勝訳が、76年に筑摩書房から出ている。数年前に読んで、コピーまでとったはずだが、あの時なにを読んでいたのか。今、再読して、ようやく何が問題なのかが判ってきた。 "sincerity" …

鏡花紀行文集

岩波文庫 達筆というのは、こういう文章を言うのか。自由自在な言葉遣いに、独特の雰囲気が醸し出される。 円山川の面は今、ここに、その、のんどりと和み軟らいだ唇を寄せて、蘆摺れに汀が低い。彳めば、暖かく水に抱かれた心地がして、藻も、水草もとろと…

ガウスの『数学日記』

高瀬正仁(訳、解説) 日本評論社 唯一理解できたのは、日記の空白期間。1801年に小惑星ケレスが発見され、ガウスは軌道計算に大いに寄与した。「数学」日記には、1801年10月から1805年8月30日まで、まったく記事がない。 記号の連なりを眺めれば、意味不明…

Jean Paul und die Bilder

Bildkünstlerische Auseinandersetzungen mit seinem Werk: 1783-2013 Hg.v. Monika Schmitz-Emans und Wolfram Benda, Würzburg 2013 会誌の代わりというわけではないだろうが、ジャン・パウル協会の年次総会の案内とともに送られてきた。論文は全然読んで…

五勺の酒

中野重治 語り手の校長先生は、常識的、良心的な民主主義者を代表しているということができるのであろうか。ちょっと読むと、起承転結のないグチを書いているだけのように見えるが、実際には、用意周到に構成されたフィクションである。多分。 歯が痛い。

NHK

『世界』1月号 メディア批評 NHK経営委員会が政府筋に押さえ込まれている、と。 新聞を止めるよりも、受信料を節約した方がいいかもしれない。

世界1月号

特集は、やはり特定秘密保護法。『秘密と監視の国家はいらない』というのだが、スピードで安倍内閣に負けている。 特集の冒頭、むのたけじという人の談話が掲載されている。戦時中、朝日新聞社には、月に2500通もの投書があったという。

Histroy and its Images. Art and the Interpretation of the Past

Francis Haskell 1993 16世紀古銭学者によるイメージの発見に始まった図像への関心は、18世紀になって歴史的文化的な図像解釈へ展開する、という話らしい。 1000円也。古本屋さんで購入。 もう一冊、W. Hogarth の本がやはり千円で出ていたのだが、一歩遅れ…

出会い

シェーンベルク/カンディンスキー 土肥美夫訳 ドイツ語原書は、Jelena Hahl-Koch という人が編集している。 結局、画家と音楽家は、どの部分で出会っていたのか。カンデンスキーの第一信で、「理解できなかった」と書かれているポスターの一節も、本書には…