2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

Was gesagt werden muss

Günter Grass 2012年4月10日付けのSZサイトを再読。 ドイツのノーベル賞作家がイスラエルを非難した、ということで、プレスに発表されるや、大スキャンダルになった(wiki.de は、この詩のために、独立した項目を立てている)。 今さらながらに、読み返して…

250周年

プロイセンの王立陶磁器工場 (KPM) も、今年、250周年を迎える。1763年は、そういう時代だったのである。

ジャン・パウル生誕250年

読ませるためには、このくらい宣伝しなければだめなのだ、きっと。ドイツの組織的な文化(文学)活動には、まだまだ学ぶべきところがある。 http://www.jean-paul-2013.de/jubilaeum/pressespiegel.html http://www.jean-paul-2013.de/jubilaeum/hoerfunk-un…

die folgende Geschichte

Cees Nooteboom, 1991 春に途中まで読んでそのままになっていた小説。途中から読み始めたものの、なんだか調子が掴めず、結局、最初に戻ることにした。アムステルダムのホテルで寝た主人公は、ポルトガルの部屋で目を覚ますという話。またもや夢とも現ともつ…

妄想

松浦寿輝氏の文芸時評(25日付け朝日新聞朝刊)に、筒井康隆『一族散らし語り』とともに、『創作の極意と掟』が取り上げられていた。妄想を徹底的に書き抜くこと。官能小説に書かれているものは、肉体ではなく、妄想なのかもしれない。

SF宝島

ぜーんぶ!新作読み切り、ということで買ってみた。 近年の科学技術の急激な発展、人間生活への直接の影響が、このジャンルの新展開を支えている。 もう一冊、オール讀物10月号の特集は「官能的」。こちらは、素材そのものにあまり進歩が期待できないだけ…

2666

冒頭の物語には、批評家たちがブレーメンをぶらつくシーンがあって、そこでは、ブレーメンの音楽隊も言及されている。フリースの小説で、『ブレーメンの音楽隊』はライトモチーフに格上げされるが、それは、「死よりもよいものは・・・」という一節を、(おそら…

MRR

18日(水)に亡くなった。93歳だったという。

2666

ロベルト・ボラーニョ (野谷文昭、内田兆史、久野量一 訳) 冒頭から、謎の作家アルチンボルディ、三人の批評家とミズ・ノートンが登場する。もう十分、と思いながらも、止められない。 グロスの絵を見ると大笑いする出版社未亡人と、同じ絵を見ると落ち込…

ATSUMONOZAKI

oder Die Geliehene Dankbarkeit von Nakayama Gishu, übersetzt v. Daniel Sandmann, S. Sagenhaphter Verlag

本を並べる

『ヴッツ先生』に、並んだ本を見て、ニッと笑うという場面があった。ヴッツ先生は、自分で書いた本を並べていたのだから、満足度は格別だっただろう。 同じ著者の本を並べると、そこに独特の雰囲気が漂うような気がするのはどうしてだろうか。全集でもなけれ…

シリア緊急募金

unicef

人生は夢

Fries: Last Exit to El Paso 前書きには、「結局は、人物 (Figuren) はみな、夢を離れて、天国で再会する」とあるので、物語は天国で終わるのかと思ったら、どうやらそうではないらしい。「死より良いものは、いたるところにある」。DigitalBibl.で検索して…

Last Exit to El Paso

Fritz Rudolf Fries 台風接近による低気圧の中で、読み続けた。 こんなに時間がかかったのは、背景にあるテクストが判らなかったから。しかし、判らないからといって、つまらなかったわけではない。思えば、この本は、ベルリンで買って以来、名古屋にも、コ…

『2666』

チリの小説家ロベルト・ボラーニョの遺作。もう邦訳が出ているらしい。Wikip. には、あらすじも掲載されている、 ようやく、Fries の小説が読めるような気がしてきた。

"Das Phantom unseres Ichs" u. d. Literaturpsychologie: E. T. A. Hoffmann - Freud - Lacan

Friedrich A. Kittler フロイト『不気味なもの』を、ホフマン『砂男』の二次文献として参照するのではなく、二つのテクストを「記号のシステムへの書き込み」のヴァリアントとして捉えている。

阿部謹也 ハーメルンの笛吹き男

説得力はどこに由来するのか。着眼点ではなく、二次文献の読み込みである。しかし、「ブレーメンの音楽隊」を素材にしていたら、こうも読まれなかっただろう。

長いドイツ語

"Rindfleischetikettierungsüberwachungsaufgabenübertragungsgesetz" 略して、"RkReÜAÜG"。 「牛肉商品表示監視業務委託法」とでも訳すのか。 牧畜農家で、BSE感染が深刻になったとき、メクレンブルク=フォアポメルン州で制定された法律だが、このほど、廃…

天牛書店

人間ドックの帰りは、いつも古本屋さんを覗く。昨年は、勤め先の健康診断で済ませたので、天神橋は二年ぶりということになる。 吉増剛造:透谷ノート 菅谷規矩雄:ロギカ/レトリカ エンツェンスベルガー:「愛」の悪魔 菅谷規矩雄が書いたものは、全部持っ…

ヴェルヌ

『15少年漂流記』もヴェルヌ作だったとは、知らなかった。どんな話だか忘れてしまったが、子どもの頃、最後まで読んだ数少ない本の一つだったはず。 『地底旅行』は、ラジオドラマ(朗読だったのだろうか)を聞いた。これも、まだ小学生だった頃のことであ…

Eckfenster

池内訳『ホフマン短編集』では、「隅の窓」と訳されている。多分、定訳で、私自身、家の出窓を思い浮かべていた。ホフマンが住んでいたというダンジャルマン広場の家にも出窓があったが、あまりにも立派で、ちょっとイメージが違うような気がした。 テクスト…

ノーチラス号

海底を旅する潜水艦には、図書館があって、12000冊の書籍を所蔵している。様々な言語で書かれた蔵書は、自然科学、倫理学、文学に関するものであり、政治経済の書籍は一冊もない。そのとなりのサロンにも、貴重な収集品が博物館のように並べられている。天上…

海底二万里

アロナクス教授とネモ船長の海底旅行の出発点は、パリの子午線を基準として、東経137度15分、北緯30度7分、日本の沿岸から約300海里(550キロ)となっている。 ガリバーも、何回目かの旅行は、日本から帰ってきたのだった。ヨーロッパから見れば、日本は最…

OpticBook

一方の手で本を押さえ、もう一方の手でパソコンをクリックしなければならないが、作業環境を整えれば、コピーする感覚で、pdf.にスキャンすることができる。

種村季弘傑作選

第二巻の諏訪哲史氏の解説がおもしろい。 廊下で、天井を睨みながら、種村が文献を挙げてゆく。それを聞き漏らすまいとして、床にへいつくばるようにして、メモしたという。80年代後半には、まだそういう師弟関係が存在したのか。 種村季弘傑作撰II: 自在郷…

未完の小説

小説は、どうやって終わるのか。事件の解決、恋愛関係の決着、死。終わってみれば、どれもコジツケのような感なきにしもあらずだが、未完に終わった小説を読むと、やはり唐突な感じがする。 『ムル』読了。9月になってしまった。