2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ハンナ・アーレント

マルガレーテ・フォン・トロッタ監督 2012 溜まった仕事を放り出して、映画を見に行った。 アイヒマン裁判をアレントを軸にして描いている。 「悪の陳腐さ」という見方をとるならば、ナチス官僚もユダヤ人指導者も、そのような特性をもった「人間」にすぎな…

Fantasiestücke in Callot's Manier von E. T. A. Hoffmann

Jean Paul, hg. v. Kaltërina Latifi, Ffm./Basel (Stroemfeld) 2013 ジャン・パウルがホフマンの『カロ風幻想作品集』に寄せた序文が本になった。 贅沢な一冊である。ベーレント版で、わずか6ページのテクストに、草稿と清書原稿のファクシミリ、転写、註、…

フロイト

図書館で『世界』を探していたら、『思想』バックナンバーに「フロイト特集」を見つけた。どうして今まで気づかなかったのか。 フロイトは、今や心理学というよりは、文学的テーマなのだ。中村論文、小田部論文を読む。

『世界』

今月の特集は、国家安全保障基本法。特定秘密保護法案についての論考もある。 今年のトピックは、イスラム(シリア、エジプト、トルコ)、核(イラン、日本)にならんで、情報(スノーデン、サイバー攻撃、言論統制)だろう。

Siebenkäs

歴史的批判版は、Kurt Schreinert が編集している。Einleitung冒頭で、「ドイツ」を繰り返しているが、出版は、1928年。ナチ絡みではなさそうである。 レネッテの性格描写を評価するのは、19世紀的レアリズムをモデルにしてのことだろう。首尾一貫したライ…

草迷宮

泉鏡花 漢字の多い文章であるが、よくよく見てみれば、文語と口語が混在している。語り手から語り手へ物語は語り継がれる。修行中の法師は、一人真実を知ることとなるという意味では主役であるが、もっぱら聞き役であり、迷宮世界ではあくまでよそ者なのだ。…

ヘルダーリン『アンチゴネ』注解

バイスナー版全集で、わずか8ページにも満たない断片であるが、凄い密度、いや、断片的であれば、おなさらということか。 Was wagtest du, ein solch Gesez zu brechen? なぜ、おまえはそれと知って、犯すべからざる法を犯したのか? この問答は、「時代と…

ジパング

時里二郎 1995年刊。HMV経由で、定価で買うことができた。 一時期、この人の作品をまとめて読んだことがあった。次の詩集を心待ちにしているうちに、なぜか急に熱が冷めてしまった。ある批評家が、次の詩集は凄い、とか書いているのを読んで、もうやめようと…