ハンナ・アーレント

マルガレーテ・フォン・トロッタ監督 2012

溜まった仕事を放り出して、映画を見に行った。

アイヒマン裁判をアレントを軸にして描いている。

「悪の陳腐さ」という見方をとるならば、ナチス官僚もユダヤ人指導者も、そのような特性をもった「人間」にすぎない。裁判そのものが無意味になってしまうだろう。ユダヤ人が批判するのも当然である。

しかし、この映画のテーマは、アレントの思想ではない。思想をもつということ、どのような批判を浴びようとも、自己の主張を貫こうとする哲学者の生き方なのである。