2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ユリイカ 1972年10月号

特集リルケ 長谷川四郎、川村二郎、秋山駿の鼎談がおもしろい。三人の関心が少しずつズレているのだが、かまわず話しが進んでいて、それでなんとなくまとまっているようにも思える。 秋山:あの人は薔薇の棘にさされて死んだなんて、ふざけるなとぼくは思っ…

P(エル)

アーラのしゃべり方でマルティンがことのほか気に入っていたのは、「P}の文字を発音するときのしっとりとした声の出し方で、まるでひとつの文字じゃなくて長い柱廊がつづき、しかもそれが水面にでも映っているみたいなのだ。 (ナボコフ『偉業』) こんな声…

ナボコフ『偉業』

(貝澤哉 訳)光文社古典文庫 主人公マルティンは、作者と同じように、ケンブリッジ大学に入学するのだが、「長いあいだ専攻する学問分野を決められずにいた」。 人間の思考ってものは、星に満たされた宇宙という名の空中ブランコに乗って前へ後ろへすばやく…

Jean-Luc Godard

アレクサンダー・クルーゲが通訳を介して、ゴダールにインタヴュしている。年代不明。 https://www.youtube.com/watch?v=rAr__FRmSQw ドイツロマン派の作品を読んでいる。知られざる作家に多くを負っている。ジャン・パウル、ノヴァーリス・・・

パパイヤ・ママイヤ

乗代雄介 全面黄色のカバーに空色の文字。帯には、「王様のブランチ」で紹介され大反響!、と。 いや、ちょっとどうかな、と思ったが、やはり面白かった。登場人物は、女の子も、男の子も、ホームレスも、みなアタマのいい乗代くん。サリンジャーの小説と同…

ベルリンのナボコフ

『偉業』(貝澤哉 訳 光文社文庫)に付けられた年表によれば、ナボコフは、1919年、クリミアを去って、ケンブリッジ大学に入学。しかし、20年代は、ベルリンで暮らしている。『ディフェンス』も『絶望』もベルリンが舞台である。しかし、ロシア語=英語作家…

エミリー・ブロンデ

E・T・A ホフマンの作品を読んでいたらしい。 (モーム『世界の十大小説』)