2022-09-20 P(エル) アーラのしゃべり方でマルティンがことのほか気に入っていたのは、「P}の文字を発音するときのしっとりとした声の出し方で、まるでひとつの文字じゃなくて長い柱廊がつづき、しかもそれが水面にでも映っているみたいなのだ。 (ナボコフ『偉業』) こんな声を聴いたら、誰だってまいってしまうだろう。