2023-01-01から1年間の記事一覧

Westbam meets Wagner

https://osterfestspiele.at/programm/2023/westbam-meets-wagner ザルツブルクの復活祭コンサートでは、オーケストラとテクノによるヴァグナー演奏が話題になっている。Deutscharndradio のレポーターは、なかでも、ヴァルキューレを絶賛していた。 https:/…

平凡パンチの三島由紀夫

椎根 和 著この有名な作家のことがはじめて理解できるような気がしてきた。

あいまいな日本の私

大江健三郎3日に死去 偶然、読み直したところだった。

大どろぼうホッツェンプロッツ

作:オトフリート・プロイスラー訳:中村浩三 我が人生で、ドイツ文学との出会いと言えば、ホッツェンプロッツであって、白雪姫やら、赤ずきんちゃんやらでは断じてない、とどこかで大言壮語したものだが、改めて読み直してみれば、なんともメルヘンチックな…

文学の淵を渡る

大江健三郎 古井由吉 「詩を読む、時を眺める」で、二人は、翻訳詩の話をしているのだが、そこで、大江健三郎が、唐突に、森有正を引き合いに出して、古井の病気、疲労に触れる。 森有正氏はカテドラルに行ってやはり大きい疲労感を感じられたけれど、あなた…

フェルメール展

6月4日まで、アムステルダムで開催。 https://www.rijksmuseum.nl/en/whats-on/exhibitions/vermeer/story/the-largest-vermeer-exhibition-ever 金持ちでないことを残念に思う。

微視的探偵法

江戸川乱歩ユリイカ 5 (1987)所収 リンドバーグ事件で、現場に残された手製の梯子を手がかりに、「木材エキスパート」アーサー・ケーラーが犯人を捜査した話。梯子は木製で、接ぎ木がされていた。その材質、鉋の削り痕を調べ、18ヶ月間、アメリカ全土にわた…

猟奇の果

明智小五郎事件簿 IV 踝をピストルで撃たれた明智小五郎がどうやって賊の地下室から逃げ出すことができたのか。第二の品川の資金源はどうなっているのか。この小説は、そのような現実的な連関をまったく意に介さない。書かれているのは、まったく区別のつか…

和独大辞典

全3巻 iudicium verlag たしかに、「最高峰」と銘打つだけの辞典ではある。たとえば、taihen(大変)の項。 たいへな美人 die umwerfende Schönheit 柏木はそう言うと、一度体をばらばらにほぐして又組立てるような大変な労をとって立上がった Bei diesen Wo…

黒蜥蜴

無二の好敵手を失ったさびしさか、それとも何かもっと別の理由があったのか、女賊はいとも不思議な悲しみに、うちひしがれていた。 心理描写が稚拙なのは、乱歩個人の問題なのか。あるいは、推理小説というジャンルの制約なのか。 その一方で、変装がテーマ…

少年探偵団

明智小五郎事件簿 X そいつは全身、墨をぬったような、おそろしくまっ黒なやつだということでした。「黒い魔物」のうわさは、もう、東京中にひろがっていましたけれど、ふしぎにも、はっきり、そいつの正体をみきわめた人は、だれもありませんでした。 そい…

『怪人二十面相』

明智小五郎事件簿 IXこの小説で、少年探偵団が結成される。 (...) きみのはたらきのことを、学校でみんなに話したら、ぼくと同じ考えのものが十人もあつまっちゃったんです。 それでみんなで、少年探偵団っていう会をつくっているんです。むろん学校の勉強や…

蜘蛛男

明智小五郎事件簿 III人魚になった死体。銀幕から滴る血。読むにしたがって、次に何が起こるのかがうっすらと意識に上ってくる。異様な読書体験だった。明智くんのような明晰な推理ができるからではない。おそらく、小学生の頃、読んだことがあるのだ。読ん…

一寸法師/何者

明智小五郎事件簿 II(集英社文庫)には、この二つの作品が収録されている。編集方針としては、事件発生順にならべるということらしい。巻末の年代記によると、一寸法師事件も何者事件も、1925年あたりに起こったとされる。しかし、作品発表年は、『一寸法師…

Bad Maulbronn

カッツェンベルガー博士は、かれの論文を批判したシュトリックを殴るため、娘の手オーダは、憧れの詩人トイドバハの朗読を聴くために、マウルボルン温泉に出かけるのだった。 2019年、マウルブロン修道院に出かけたとき、博士の旅のことはすっかり忘れていた…

丸山眞男の敗北

伊東祐吏 2016(講談社選書メチエ)これも後半「開国」のあたりから、話しが面白くなる。外来のものを受け入れる「古層」があるはずだが、それは「層」というほどの実体ではない。それを表すために、丸山は音楽用語を借用し、「執拗低音(バッソ・オスティナ…

わたしが先生の「ロリータ」だったころ

愛に見せかけた支配についてアリソン・ウッド(服部理佳 訳) 物語前半はポルノ小説。途中で放り出したのだが、年末のお勧めブックリストに挙がっているのをみて、またぞろ引っ張り出したのだった。最後の数十ページ、第三部がおもしろい。ノンフィクション…

die große Jean-Paul-Ausgabe bei Hanser

ジャンパウル全集 6巻本今は、全10巻になっている全集だが、学生にとってはちょっとした買い物だったはずである。「研究するつもりなら、これを買え」と助言してくれる先輩がいたのだ。当時の大学には。 6冊のうち、一番使い込んでいるのは、晩年のテクスト…

クリスマスツリーの処分

ハイデルベルク市からメールが届いた。旧市街は、1月10日に回収する。6時までに、公道の脇に置いておくこと。飾りは完全にはずさなければならない。2.5メートルまで。なお、キルヒハイム、ヴィープリンゲンのリサイクリング農場でも引き渡しできる(無料)月…