文学の淵を渡る

大江健三郎 古井由吉

「詩を読む、時を眺める」で、二人は、翻訳詩の話をしているのだが、そこで、大江健三郎が、唐突に、森有正を引き合いに出して、古井の病気、疲労に触れる。

森有正氏はカテドラルに行ってやはり大きい疲労感を感じられたけれど、あなた[古井]が感じているのはそれとは逆の疲労感なのかと思います。

上下方向が違うと言う。
翻訳と創作の行き来を語るなかででてきた、不思議な「疲労」。