2017-01-01から1年間の記事一覧

鈴木武樹訳『見えないロッジ・第一部』

ジャン・パウル=文学全集1(創土社) 天牛堺書店にて購入。2巻揃いでゴム止め。各980円。 拾い読みしてみて、判ったことは何か? もし新訳を出すつもりなら、この翻訳は読まない方がいい。この文体で訳し始めたら、多分、この翻訳を超えることはできな…

Interpretationen

Deutschlandrundfunk.Kultur の音楽番組。日本時間で、日曜22時から0時まで。 昨夜は、シューマンの第四交響曲をどう演奏するのか、という話。いくつかのテーマを中心に、聞き比べをするので、素人にも、演奏によってどのくらい曲の感じが違ってくるのか…

Joachim Kaiser

dradio.de / Kultur を聴いていたら、シューマンのクライスレリアーナの話をしていた。一曲ずつ、それがどういう音楽なのか、言葉をつくして語っていく。そして、それぞれの曲について、何人かの演奏を紹介していた。 まず、ヴィルヘルム・ケンプが出てくる…

Logen-Blog

https://www.literaturportal-bayern.de/blog?task=lpbblogs&layout=category&category=179 Frank Piontekによる、毎日、ジャン・パウル『見えないロッジ』を読む試み。24.09.2012に始まって、22.12.2014に終わっている。

自由の創出

ジャン・スタロビンスキー(小西嘉幸 訳)四天王寺の古本市で購入。1000円。 18世紀がロココ趣味だけではないことは判る。自由がひょっとしたら、発明されたものかもしれないことも判る。しかし、自由とノイマンのバロック教会がどのように結びつくのか。 …

吾輩は猫である

朝日新聞連載終了。といっても、この作品はもともと朝日新聞とは関係がない。 猫が最期に呑むのは、酒だとばかり思っていた。 思えば、中学生だか、小学生だかの頃、『路傍の石』や『次郎物語』といっしょに、子ども向けの本で読んだきりだった。ビールでは…

Adolf Wölfli 1864-1930

名古屋市美術館で回顧展を見た。 絵画というのか、本というのか、とにかく稠密に描き込まれた線描がそれだけで、表現になっている。精神病棟で制作されたという。 フロイトが生まれたのが、1856年。シュレーバーは、1842年に生まれている。ユングは、1875年…

聖アントニウスの誘惑

クラーナハ展(大阪国立国際美術館) 全景には、幻想に捕らえられ宙に浮かんだアントニウス。まるで聖人自身が幻想の一部になってしまったかのようである。しかしまた、遠くに見える町は、なにごともなかったかのように静かで、これまた不気味である。 遠景…

バッハ『音楽の捧げ物』

Herbert Kegel u. Rundfunk-Sinfonieorchester Leipzig, 1972 フリューゲル=ピアノフォルテのボヤーっとしたリチュルカーレで始まり、ゆっくりとフーガ、カノン、ソナタが続く。後半は、パウル・デッサウとヴェーベルンの編曲が並んでいるが、まるで最初か…

ひかり埃のきみ

福田尚代 回文。前から読んでも、後ろから読んでも同じ文字列。たとえば、 眼鏡がない。田舎ね。カメめがねがない。いなかね。かめ。 なんていうレベルなら、ちょっと考えればできる。 しかし、これが何行にも渡り、次から次へと何ページもくり出されてくる…