Die Zeit 11号に、ハイデガーの息子をインタヴューした記事が掲載されている。
間もなく出版が予定されている『黒いノート』は、マルティンのナチとの関連がさらに明らかになるのではないかと期待されているが、編集段階で、ヘルマンの手がかなり入っているらしい。
おもしろかったのは、その事よりも、家庭の中のマルティンをめぐる話。ハイデガーは、妻の Elfride と Friedrich Caesar の間にできたヘルマンを引き取って、実の子の Jörg と分け隔てなく育てたが、ヘルマンの出自については生涯話をすることがなかったという。
しかしまた、マルティンの方もあちこちで浮気していたらしい。母がよく我慢したものだ、とも言っている。
やはり、相当の哲学者だったに違いない。
家庭では、父親の方が寛容で、母親が厳しかった。エルフリーデは、マルティン以上に、ナチズムに傾倒していたが、それは、ヘルマンによれば、ツェーザーの影響だという。父は、息子に全集の編集を依頼するが、ナチズムについては、やはりなにも語らなかった、と。