そしてそれらの断片は、小島のように

またたとえ読む本をくまなく記憶しているつもりでも、じつは本のいくつかの断片しか記憶していない。そしてそれらの断片は、小島のように、忘却という名の大海に浮かんでいるのである。
(ピエール・バイヤール 大浦康介訳 読んでいない本について堂々と語る方法)

しかし、海に沈んでいたところが、ふとしたことで、にょっきり出てきたりすることもある。あるテクストが、その本の中で、あるいは、本と本の間で、どのように位置づけられるのか。見取り図は刻一刻と変わる。