2022-12-31から1日間の記事一覧
式子内親王夕闇に沈む頃、萩の葉が風でさわさわと鳴るのを耳にして、瞬間、恋人が来たのかと錯覚した。やんごとなき姫君ならば、いかにもありそうなできごとではある。しかし、恋人のことを思い出した、ではなく、恋人が来なくなっていたことを忘れた、と詠…
式子内親王夕闇に沈む頃、萩の葉が風でさわさわと鳴るのを耳にして、瞬間、恋人が来たのかと錯覚した。やんごとなき姫君ならば、いかにもありそうなできごとではある。しかし、恋人のことを思い出した、ではなく、恋人が来なくなっていたことを忘れた、と詠…