フィリップ・マーロウ(『ロング・グッドバイ』村上春樹訳)の名台詞だが、フランス語は、
Partir, c’est mourir un peu. Mais mourir, c’est partir beaucoup.
死ぬこと、それはたくさんさよならを言うことだ、と続く。
partir は、もちろん、「立ち去る」の意。
死んだ人が立ち去るのだから、前半は、立ち去る人が少し死ぬ、となるはず。
マーロウは、立ち去るリンダ・ローリングを見送って、少しだけ死ぬこと、と呟く。だが、少し死んでいるのは、リンダではない。