石原あえか『科学する詩人ゲーテ』慶応義塾大学出版

一読、一般読者向けに書かれた入門書のようだが、実は、かなりの研究を踏まえている。それだけに、科学からポエジーの一方的な影響が気になった。ゲーテの反ニュートンは、結局、文学的なイメージでしかないのだろうか。霧に浮かぶ白虹を「白髪になっても/愛に生きいよう」と読む詩人は、やはり凄い、とは思うのだが。