Lovro von Matačić

deutsch Lorenz von Mattachich; * 14. Februar 1899 in Sušak, Rijeka, Österreich-Ungarn; † 4. Januar 1985 in Zagreb... 久しぶりにベートーベンの交響曲を聴いた。1980年から81年にかけての開催された演奏会のライブ録音だという。八十歳を超えてもベー…

校舎の裏にまわると雪の痕が残っていたが、梅の木には花がついている。

Die stärksten Erdbeben fallen in den Herbst und ins Jahrs-Ende

Die stärksten Erdbeben fallen in den Herbst und ins Jahrs-Ende, sagt Kant; er hat also, nach seinem Todesjahre zu schließen, nur die physischen gemeint.(Jean Paul: Friedens-Predigt an Deutschland, Hanser I, 5, 903) Anm. dazuvgl. Kants "Phy…

Westbam meets Wagner

https://osterfestspiele.at/programm/2023/westbam-meets-wagner ザルツブルクの復活祭コンサートでは、オーケストラとテクノによるヴァグナー演奏が話題になっている。Deutscharndradio のレポーターは、なかでも、ヴァルキューレを絶賛していた。 https:/…

平凡パンチの三島由紀夫

椎根 和 著この有名な作家のことがはじめて理解できるような気がしてきた。

あいまいな日本の私

大江健三郎3日に死去 偶然、読み直したところだった。

大どろぼうホッツェンプロッツ

作:オトフリート・プロイスラー訳:中村浩三 我が人生で、ドイツ文学との出会いと言えば、ホッツェンプロッツであって、白雪姫やら、赤ずきんちゃんやらでは断じてない、とどこかで大言壮語したものだが、改めて読み直してみれば、なんともメルヘンチックな…

文学の淵を渡る

大江健三郎 古井由吉 「詩を読む、時を眺める」で、二人は、翻訳詩の話をしているのだが、そこで、大江健三郎が、唐突に、森有正を引き合いに出して、古井の病気、疲労に触れる。 森有正氏はカテドラルに行ってやはり大きい疲労感を感じられたけれど、あなた…

フェルメール展

6月4日まで、アムステルダムで開催。 https://www.rijksmuseum.nl/en/whats-on/exhibitions/vermeer/story/the-largest-vermeer-exhibition-ever 金持ちでないことを残念に思う。

微視的探偵法

江戸川乱歩ユリイカ 5 (1987)所収 リンドバーグ事件で、現場に残された手製の梯子を手がかりに、「木材エキスパート」アーサー・ケーラーが犯人を捜査した話。梯子は木製で、接ぎ木がされていた。その材質、鉋の削り痕を調べ、18ヶ月間、アメリカ全土にわた…

猟奇の果

明智小五郎事件簿 IV 踝をピストルで撃たれた明智小五郎がどうやって賊の地下室から逃げ出すことができたのか。第二の品川の資金源はどうなっているのか。この小説は、そのような現実的な連関をまったく意に介さない。書かれているのは、まったく区別のつか…

和独大辞典

全3巻 iudicium verlag たしかに、「最高峰」と銘打つだけの辞典ではある。たとえば、taihen(大変)の項。 たいへな美人 die umwerfende Schönheit 柏木はそう言うと、一度体をばらばらにほぐして又組立てるような大変な労をとって立上がった Bei diesen Wo…

黒蜥蜴

無二の好敵手を失ったさびしさか、それとも何かもっと別の理由があったのか、女賊はいとも不思議な悲しみに、うちひしがれていた。 心理描写が稚拙なのは、乱歩個人の問題なのか。あるいは、推理小説というジャンルの制約なのか。 その一方で、変装がテーマ…

少年探偵団

明智小五郎事件簿 X そいつは全身、墨をぬったような、おそろしくまっ黒なやつだということでした。「黒い魔物」のうわさは、もう、東京中にひろがっていましたけれど、ふしぎにも、はっきり、そいつの正体をみきわめた人は、だれもありませんでした。 そい…

『怪人二十面相』

明智小五郎事件簿 IXこの小説で、少年探偵団が結成される。 (...) きみのはたらきのことを、学校でみんなに話したら、ぼくと同じ考えのものが十人もあつまっちゃったんです。 それでみんなで、少年探偵団っていう会をつくっているんです。むろん学校の勉強や…

蜘蛛男

明智小五郎事件簿 III人魚になった死体。銀幕から滴る血。読むにしたがって、次に何が起こるのかがうっすらと意識に上ってくる。異様な読書体験だった。明智くんのような明晰な推理ができるからではない。おそらく、小学生の頃、読んだことがあるのだ。読ん…

一寸法師/何者

明智小五郎事件簿 II(集英社文庫)には、この二つの作品が収録されている。編集方針としては、事件発生順にならべるということらしい。巻末の年代記によると、一寸法師事件も何者事件も、1925年あたりに起こったとされる。しかし、作品発表年は、『一寸法師…

Bad Maulbronn

カッツェンベルガー博士は、かれの論文を批判したシュトリックを殴るため、娘の手オーダは、憧れの詩人トイドバハの朗読を聴くために、マウルボルン温泉に出かけるのだった。 2019年、マウルブロン修道院に出かけたとき、博士の旅のことはすっかり忘れていた…

丸山眞男の敗北

伊東祐吏 2016(講談社選書メチエ)これも後半「開国」のあたりから、話しが面白くなる。外来のものを受け入れる「古層」があるはずだが、それは「層」というほどの実体ではない。それを表すために、丸山は音楽用語を借用し、「執拗低音(バッソ・オスティナ…

わたしが先生の「ロリータ」だったころ

愛に見せかけた支配についてアリソン・ウッド(服部理佳 訳) 物語前半はポルノ小説。途中で放り出したのだが、年末のお勧めブックリストに挙がっているのをみて、またぞろ引っ張り出したのだった。最後の数十ページ、第三部がおもしろい。ノンフィクション…

die große Jean-Paul-Ausgabe bei Hanser

ジャンパウル全集 6巻本今は、全10巻になっている全集だが、学生にとってはちょっとした買い物だったはずである。「研究するつもりなら、これを買え」と助言してくれる先輩がいたのだ。当時の大学には。 6冊のうち、一番使い込んでいるのは、晩年のテクスト…

クリスマスツリーの処分

ハイデルベルク市からメールが届いた。旧市街は、1月10日に回収する。6時までに、公道の脇に置いておくこと。飾りは完全にはずさなければならない。2.5メートルまで。なお、キルヒハイム、ヴィープリンゲンのリサイクリング農場でも引き渡しできる(無料)月…

たそかれの萩の葉風にこの比(ごろ)のとはぬならひをうち忘れつゝ

式子内親王夕闇に沈む頃、萩の葉が風でさわさわと鳴るのを耳にして、瞬間、恋人が来たのかと錯覚した。やんごとなき姫君ならば、いかにもありそうなできごとではある。しかし、恋人のことを思い出した、ではなく、恋人が来なくなっていたことを忘れた、と詠…

「幸福」授業

ドイツ ブラウンシュヴァイク工科大学の教育心理学の研究プロジェクトの一環として、16の小学校で「幸福」授業が実施されている (die Zeit: 29. Dez. 2022)。テーマは、自分自身の調子をよりよくし、危機をよりよいやり方で克服できるようにすること。子ども…

地には平和

ルカ 2. 14 いと高き所には栄光、神にあれ地には平和、御心に適う人にあれ。 羊飼いたちの頭上高く、突然出現した「天の大軍」は、戦うのではなく、天使とともに神を讃美したのだった。「地には平和」という一言が最近、気になって、もう一度読み返してみた…

AI によって向き合う

23日付け朝日新聞 大阪版文化欄さすが羽生善治、という記事だった。 昔から、農家の方などと比べると棋士は絶対的な存在ではないと思っていました それは文学者も同じ。ここにつづく「が、」の後がすばらしい。 が、本来むきあわなければいかなかったことをA…

ギリシア芸術模倣論

ヴィンケルマン(田邊玲子 訳)岩波文庫ヴィンケルマンが献呈しているヴィルヘルム・アウグスト二世は、フェルメール『手紙を読む女』を購入した、あのザクセン選帝侯なのかな。

旅する練習

乗代雄介この物語後半には、ほぼ同じルートを辿っているらしい二つの旅が重ねて書かれている。コロナ以前と、コロナ以後の徒歩旅行。旅の最後に、本を返しに行く姪の足取りは、こんな風に書かれている。 一人待っている私の方は、はっきりした目的というもの…

ユリイカ 1972年10月号

特集リルケ 長谷川四郎、川村二郎、秋山駿の鼎談がおもしろい。三人の関心が少しずつズレているのだが、かまわず話しが進んでいて、それでなんとなくまとまっているようにも思える。 秋山:あの人は薔薇の棘にさされて死んだなんて、ふざけるなとぼくは思っ…

P(エル)

アーラのしゃべり方でマルティンがことのほか気に入っていたのは、「P}の文字を発音するときのしっとりとした声の出し方で、まるでひとつの文字じゃなくて長い柱廊がつづき、しかもそれが水面にでも映っているみたいなのだ。 (ナボコフ『偉業』) こんな声…