Hermann Heidegger

Die Zeit 11号に、ハイデガーの息子をインタヴューした記事が掲載されている。 間もなく出版が予定されている『黒いノート』は、マルティンのナチとの関連がさらに明らかになるのではないかと期待されているが、編集段階で、ヘルマンの手がかなり入っている…

八月一日(日)晴

頭の中を翻訳する (承前) 先崎学 読んでから時間がたってしまったので、記憶を頼りに、話を再現してみる。 先崎八段は、将棋に、感性と感性のぶつかり合いを見る。多分、観戦記者?として、そこに言語化できる領域を見つけた、ということなのだろう。とこ…

頭の中を翻訳する

先崎学 前項の続き。 音楽/将棋/数学 は、それぞれ固有の記号体系をもっているが、記号体系そのものの役割が違う。 数学は、記号によって書かれたものが、まさに数学の実体である。図とか、グラフとかは、便宜的な下絵にすぎない。最終的に、数式になるか…

将棋 エッセイコレクション

後藤元気 編 将棋は、音楽や数学と同じように、独自のルール(体系、構造)と、記号(棋譜、楽譜)をもつ。そして、この三領域は、コトバで表現するのが難しい。 随分前に、川端康成の『名人』を読んでみたが、どうもよく分からなかった。 問題は、私自身に…

Über das Grauen I

Walter Benjamin の断章。 深い沈潜(瞑想、集中)からの覚醒時に、恐ろしい幻影が生じることがある。女性(母親)の像でることが多いのだ、と。 深く沈潜していていながら、精神がもっとも活発に活動しているのは、祈りのとき。しかし、神や自己に完全に沈…

Jean Paul

Max Kommerell Kurt Wölfel の Schoppe という講演記録 JbJPG 2000/01 を読んで、改めて、"Siebenkäs und Leibgeber" を読み直してみた。Kommerell にしても、Wölfel にしても、ジャン・パウルのテクストのおもしろさを知り尽くしていると思う。読むたびに、…

Siebenkäs. Ende der Vorrede und des ersten Bändchen

語り手ジャン・パウルは、パウリーネに、『ジーベンケース』第一巻、つまり、貧乏弁護士の結婚や、ドッペルゲンガーの友情の物語を読んでやっていた。しかし、娘の父親は、寝たふりをして、二人の様子を見張っていたのだった。家を追い出されたジャン・パウ…

詩学講義 無限のエコー

耳なし芳一から、立石寺、赤城山へ、細い糸でつながっているような、いないような。 いや、多分、そういう読み方がダメなのだろう。吉増剛造という人は、一瞬にかけるパフォーマーなのだ。なにかが見えてくる爆発的な瞬間が眼目であってみれば、時間的な連な…

Schatten. Ihre Darstellung in der abendländischen Kunst

Ernst H. Gombrich 1995年に出たエセ-のドイツ語訳。陰影による立体表現法 (Modellierung) は、連綿と続く西洋絵画の伝統的手法であり、古代アテネの壺の絵にもすでに、確認されるという。だが、モノが投げかける「影」(Schlagschatten) は、かならずしもい…

Peter Urban

昨年12月に逝去。11日付けの Tagesspiegel 紙に、この翻訳家の仕事ぶりが紹介されている (Perlentaucher)。 家は、大きな農家で、あちこちに書き物机がおいてある。ゴンチャロフ机、チェーホフ机、といった風に、机ごとに、関連するメモや草稿が山積みにされ…

二人の主人を一度に持つと

ゴルドーニ(田之倉稔 訳) 訳者が示した楕円の焦点に入るべきは、ベアトリーチェ/フェデリーゴ、トゥルッファルディーノ/パスクワーレ。ドラマを支えているのは、二対の不在のドッペルゲンガーである。

詩学講義 無限のエコー

吉増剛造 講義の初めの方で、中也の「歩行」(散歩ではないのか?)が話題になるのだが、大岡昇平の回想を引用しながら、「古風な漂白の道を」という部分でつかえてしまったのか、「これはマズイ」、「だめだ」とわざわざ括弧書きされている。 図書館から借…

ツワネ原則

「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」(日本弁護士連合会 訳) 2013年6月12日に発表されたという。やはり情報管理は、世界的に見ても、もっともアクチュアルな問題なのだ。しかし、門外漢が言うのも気が引けるが、高橋某が、新聞で絶賛するほど、…

<誠実>と<ほんもの>

近代自我の確立と崩壊- ライオネル・トリリング著 原著は、1971年。野島秀勝訳が、76年に筑摩書房から出ている。数年前に読んで、コピーまでとったはずだが、あの時なにを読んでいたのか。今、再読して、ようやく何が問題なのかが判ってきた。 "sincerity" …

鏡花紀行文集

岩波文庫 達筆というのは、こういう文章を言うのか。自由自在な言葉遣いに、独特の雰囲気が醸し出される。 円山川の面は今、ここに、その、のんどりと和み軟らいだ唇を寄せて、蘆摺れに汀が低い。彳めば、暖かく水に抱かれた心地がして、藻も、水草もとろと…

ガウスの『数学日記』

高瀬正仁(訳、解説) 日本評論社 唯一理解できたのは、日記の空白期間。1801年に小惑星ケレスが発見され、ガウスは軌道計算に大いに寄与した。「数学」日記には、1801年10月から1805年8月30日まで、まったく記事がない。 記号の連なりを眺めれば、意味不明…

Jean Paul und die Bilder

Bildkünstlerische Auseinandersetzungen mit seinem Werk: 1783-2013 Hg.v. Monika Schmitz-Emans und Wolfram Benda, Würzburg 2013 会誌の代わりというわけではないだろうが、ジャン・パウル協会の年次総会の案内とともに送られてきた。論文は全然読んで…

五勺の酒

中野重治 語り手の校長先生は、常識的、良心的な民主主義者を代表しているということができるのであろうか。ちょっと読むと、起承転結のないグチを書いているだけのように見えるが、実際には、用意周到に構成されたフィクションである。多分。 歯が痛い。

NHK

『世界』1月号 メディア批評 NHK経営委員会が政府筋に押さえ込まれている、と。 新聞を止めるよりも、受信料を節約した方がいいかもしれない。

世界1月号

特集は、やはり特定秘密保護法。『秘密と監視の国家はいらない』というのだが、スピードで安倍内閣に負けている。 特集の冒頭、むのたけじという人の談話が掲載されている。戦時中、朝日新聞社には、月に2500通もの投書があったという。

Histroy and its Images. Art and the Interpretation of the Past

Francis Haskell 1993 16世紀古銭学者によるイメージの発見に始まった図像への関心は、18世紀になって歴史的文化的な図像解釈へ展開する、という話らしい。 1000円也。古本屋さんで購入。 もう一冊、W. Hogarth の本がやはり千円で出ていたのだが、一歩遅れ…

出会い

シェーンベルク/カンディンスキー 土肥美夫訳 ドイツ語原書は、Jelena Hahl-Koch という人が編集している。 結局、画家と音楽家は、どの部分で出会っていたのか。カンデンスキーの第一信で、「理解できなかった」と書かれているポスターの一節も、本書には…

ハンナ・アーレント

マルガレーテ・フォン・トロッタ監督 2012 溜まった仕事を放り出して、映画を見に行った。 アイヒマン裁判をアレントを軸にして描いている。 「悪の陳腐さ」という見方をとるならば、ナチス官僚もユダヤ人指導者も、そのような特性をもった「人間」にすぎな…

Fantasiestücke in Callot's Manier von E. T. A. Hoffmann

Jean Paul, hg. v. Kaltërina Latifi, Ffm./Basel (Stroemfeld) 2013 ジャン・パウルがホフマンの『カロ風幻想作品集』に寄せた序文が本になった。 贅沢な一冊である。ベーレント版で、わずか6ページのテクストに、草稿と清書原稿のファクシミリ、転写、註、…

フロイト

図書館で『世界』を探していたら、『思想』バックナンバーに「フロイト特集」を見つけた。どうして今まで気づかなかったのか。 フロイトは、今や心理学というよりは、文学的テーマなのだ。中村論文、小田部論文を読む。

『世界』

今月の特集は、国家安全保障基本法。特定秘密保護法案についての論考もある。 今年のトピックは、イスラム(シリア、エジプト、トルコ)、核(イラン、日本)にならんで、情報(スノーデン、サイバー攻撃、言論統制)だろう。

Siebenkäs

歴史的批判版は、Kurt Schreinert が編集している。Einleitung冒頭で、「ドイツ」を繰り返しているが、出版は、1928年。ナチ絡みではなさそうである。 レネッテの性格描写を評価するのは、19世紀的レアリズムをモデルにしてのことだろう。首尾一貫したライ…

草迷宮

泉鏡花 漢字の多い文章であるが、よくよく見てみれば、文語と口語が混在している。語り手から語り手へ物語は語り継がれる。修行中の法師は、一人真実を知ることとなるという意味では主役であるが、もっぱら聞き役であり、迷宮世界ではあくまでよそ者なのだ。…

ヘルダーリン『アンチゴネ』注解

バイスナー版全集で、わずか8ページにも満たない断片であるが、凄い密度、いや、断片的であれば、おなさらということか。 Was wagtest du, ein solch Gesez zu brechen? なぜ、おまえはそれと知って、犯すべからざる法を犯したのか? この問答は、「時代と…

ジパング

時里二郎 1995年刊。HMV経由で、定価で買うことができた。 一時期、この人の作品をまとめて読んだことがあった。次の詩集を心待ちにしているうちに、なぜか急に熱が冷めてしまった。ある批評家が、次の詩集は凄い、とか書いているのを読んで、もうやめようと…